お国が違えばタブーも変わる!知っておきたい海外ビジネスマナー【ブラジル編】

2017.07.20

ビジネスマナーとは、相手を敬う気持ちや思いやる気持ちの表れです。
交渉ごとはお互いに自分側に有利に進めたいので、ときにはまとめるのが難しいこともあるでしょう。
けれども難しいビジネスの話も結局は、人と人の信頼関係の上に成り立つもの。
お互いにビジネスマナーを守って節度ある言動を積み重ねることが大切です。

ブラジル人とビジネス上のつきあいをする場合に知っておきたいマナーのなかから、日本人がとくに失敗しそうなことをまとめました。

熱いアイコンタクトにも、たじろがないで!

ブラジル人はコミュニケーションをとても大切にします。
単に会話のキャッチボールをするだけでなく、会話をする相手とアイコンタクトをしっかりとります。
少し大きめな声で話したり、軽く体に触れてくることも珍しくありません。
家族のことや趣味のことなど、個人的なことを聞いてくることもよくあります。

日本人からするとちょっと馴染みにくいような、熱いコンタクトをしてくる人もいるでしょう。
しかしそれは、「相手と信頼関係を築きたい」、「相手のことをもっと知りたい」という気持ちの表れですので、たじろがずに会話を楽しみたいものです。

名刺は十分に用意しておきましょう

ブラジルでも日本と同じように、名刺交換の習慣があります。
出張などでブラジルを訪れる際には、名刺を多めに用意しておいたほうがよいでしょう。

そしてブラジル人の名刺で一つ特徴的なことといえば、ときどき名前の一部にアンダーラインが引かれていることです。
そのアンダーラインは、その人が自分をどう呼んでほしいかを表わしています。
たとえば姓名のうち名前の部分にアンダーラインが引かれていたら、名前で呼んで欲しいということです。
もし名前の読み方がよくわからなかったら、どう発音すればよいのかをはっきり聞いてしまったほうがよいでしょう。

肩書きがある場合は、肩書きにアンダーラインが引かれた部分の名前を続けて呼ぶのが一般的です。
肩書きがない人は、男性なら「セニョール」、女性なら「セニョーラ」を、姓の前につけて呼ぶのが一般的です。
いずれにせよ、読み方や呼び方がよくわからない場合は憶測で判断せずに、相手に聞いてみることをおすすめします。

ブラジル人との会食の席で気をつけたいこと

ランチは2時間、ディナーは3時間以上と心得ましょう

ブラジル人は家族で夕食を食べることをとても大切にしています。
ですからブラジルでのビジネス会食は、ランチタイムに2時間ほどかけて行われることが多いです。
さらに最近ではパワーブレックファースト、つまり朝食で人脈づくりをする機会も増えてきています。

ただしお互いに出張で同じ場所に集っている場合には、家族と夕食をとる必要がありませんのでディナー会食がセットされることもあります。
その場合は最低でも3時間くらいはかかるつもりで、他の予定は入れないようにしましょう。

食べ物は手で触らない! これがもっとも重要なマナーかも!

ブラジルでは食事のとき、食べ物に直接手を触れることはほとんどしません。
サンドイッチでさえも、手で持って食べるのはマナー違反になるのです。
どんなものでも、かならずナイフとフォークを使って食事をするように気をつけましょう。
基本的にはフォークで食べ物を押さえてナイフで切り、ナイフの先をお皿にかけるように置いてから、フォークで食べます。
やわらかい食べ物でも、いきなりフォークだけでカットするのではなく、ナイフを使いましょう。

ビザもハンバーガーも、フルーツも、ナイフとフォークを使って一口ずつ切って食べます。
唯一、手で直接食べるものといえば、朝食に出るようなパンくらいだそうです。

会食の席では食後のコーヒーが出るまでビジネスの話をしない

多くの日本人はどちらかというと、せっかちです。
ビジネスのために会っているのだから、世間話は適当にして早く仕事の話をしたいと思うかもしれません。
でも、ブラジル人を相手に焦ってはダメ。まずはじっくりと、信頼関係をつくることです。
会食の席ではとくに、なごやかに、ビジネスと関係ない話をすることに専念しましょう。
食後のコーヒーが出てきて、相手がビジネスの話を切り出すまで待ったほうが無難です。

海外では、日本でなら当たり前のことや失礼でもなんでもないことが、大変なマナー違反になることがあります。
「知らなかった」と正直にいえば相手は理解してくれるかもしれませんが、できれば最初から相手に不快な思いをさせたくないですよね。

ブラジル企業との取引きやブラジルへの出張を予定している方は、本日のコラムをどうぞ参考にしてください。

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